選択できる検査の内容
40歳から74歳までのすべての被保険者および被扶養者に対して、特定健康診査(特定健診)が実施されています。特定健診とは、メタボリックシンドロームの該当者および予備軍を減少させるための特定保健指導を必要とする人を抽出するために行なうものです。
- ※無料で選択できる検査は、本人や家族・年齢・性別などにより異なります。
肺がん(胸部X線検査)

内容
胸部に背後からX線を照射します。
わかること
肺炎、肺結核、肺がん、肺気腫、胸水、気胸など呼吸器の疾患の有無と、その程度がわかります。
注意点
X線は放射線の一種ですが、1回の被ばく量はきわめて低く、極端な回数を重ねない限り人体への悪影響は考えられません。ただし妊娠中、または妊娠の可能性がある方は、胎児への影響が心配されますので受診できません。受診前に必ずお申し出ください。
乳がん
乳房超音波検査

内容
乳房に超音波を発振する機器をあてて動かし、内部の様子を知る検査です。
わかること
小さなしこりの検出力にすぐれ、しこり内部の状態も把握できます。がんとの判別が難しい、乳腺症やのう胞の診断に威力を発揮します。
注意点
乳房を圧迫する必要がなく、痛みもまったくありません。妊娠中で放射線を避けたい場合や、若い人に多く見られる例ですが、乳腺が発達していてマンモグラフィではよい写真が撮れない場合などに適しています。
マンモグラフィ(乳房X線検査)

内容
乳房の病変をX線(マンモグラフィ)を使って調べます。
わかること
病変がある場合、良性か悪性かの判断の指針となります。
注意点
視触診ではわからない早期がんの発見が可能になります。
ただし、X線を使うので、妊娠中、または妊娠の可能性がある方は、胎児への影響が心配されますので受診できません。受診前に必ずお申し出ください。
乳房を圧迫装置ではさんで撮影するため、多少の痛みがあります。
授乳中の方、断乳直後の方、豊胸手術後の方は実施できないことがあります。検査前に必ずお申し出ください。
乳房超音波検査とマンモグラフィどっちを受ければいいの?
若い方は一般的に乳腺が発達しているため乳房超音波検査が向いていると言われています。
子宮がん(子宮頸部細胞診検査)

内容
膣口から細い器具を挿入し、子宮頸部の粘膜より細胞を採取して、顕微鏡で調べる検査です。
わかること
子宮頸がんの早期発見につながります。トリコモナス膣炎、カンジダ膣炎などの感染がわかります。
注意点
生理中の場合、十分な検査ができない場合があります。
検査後、まれに出血することがあります。
骨粗しょう症(骨密度検査)

内容
骨全体の中にある単位容積内のミネラル量を測定する検査です。超音波やX線を使った検査です。
わかること
骨の量が、同じ年齢の平均値と比べて何%なのか、または若年成人(20~40歳)の平均を100%とした場合と比べて何%なのかで診断します。若いとき (20~40歳)の平均骨量の20%減少までは正常、20~30%を骨量減少、30%以上の減少を骨粗しょう症と診断するというものです。
注意点
X線を使った検査の場合、妊娠中、または妊娠の可能性がある方は、胎児への影響が心配されますので受診できません。受診前に必ず申し出てください。
大腸がん(便潜血検査)

内容
便に血が混じっているかどうかを調べる検査です。
わかること
陽性(+)の場合、消化管の出血性の病気、大腸ポリープ、大腸がんなどが疑われます。
その場合は、大腸の精密検査が必要となります。
胃がん
胃部X線検査

内容
造影剤のバリウムを飲んで、胃・十二指腸までX線を照射する検査です。
わかること
胃・十二指腸のポリープ、潰瘍(かいよう)やがんなどが発見できます。
潰瘍やがんによって粘膜面に凹凸が生じて、バリウムの「たまり」や「抜け」として現れます。
注意点
X線は放射線の一種ですが、1回の被ばく量はきわめて低く、極端な回数を重ねない限り、人体への悪影響は考えられません。ただし妊娠中、または妊娠の可能性がある方は、胎児への影響が心配されますので受診できません。受診前に必ずお申し出ください。
検査終了後には、下剤を服用してバリウムの排泄を促します。白い便が出るのはこのバリウムによるものです。とくに便秘がちの方は、水分を多くとってください。
ペプシノーゲン(血液検査)

内容
胃粘膜の老化度(萎縮度:いしゅくど)を調べる血液検査です。
わかること
胃がんを直接見つけるための検査ではありませんが、一部の胃がんは萎縮の進んだ粘膜から発生することがあるため、この検査で胃がんが見つかることがあります。
注意点
陽性の場合、胃がんの可能性が高いですが、必ずしも陽性で胃がんでない場合や、陰性でも胃がんの場合もありますので、この検査だけで胃がんの有無が確定と判定はできません。
そのため、この検査を受けても、胃部に自覚症状が続く場合は、必ず医療機関で受診してください。
前立腺がん[PSA(血液検査)]

内容
血液検査で、前立腺腫瘍マーカー(PSA)を調べる検査です。
わかること
前立腺疾患の有無がわかります。高値である場合、前立腺肥大、前立腺がんなどが疑われます。